第39代理事長 是枝 佳彦

2022年度スローガン
「守破離~本質を忘れず、変化を受け入れ、新たなJCを創ろう~」

はじめに

南さつま青年会議所は1984年設立以来、明るい豊かな社会の実現を目指し、高い志と情熱をもって様々な活動・運動を行って参りました。我々も先輩諸兄姉の想いを継承し、時代に沿った活動・運動を行っていかなければなりません。また、こうして活動・運動を行うことが出来るのも、行政、学校関係者、各種団体、地域の皆様のご理解と温かい支援の賜物であり、心より感謝申し上げます。
青年会議所は国際的、社会的課題に積極的に取り組む団体です。近年新型コロナウイルスを起因とするパンデミックは、世界規模の混乱を巻き起こし、社会的・経済的そして私たちの私生活にも、大きな影響を与え、過去に例を見ない事態となっております。更に昨年度は緊急事態宣言に加えて、まん延防止等重点措置も地域に適用され、南さつま市にも大きな影響を与え、青年会議所の活動をしている場合ではないというメンバーもいると思います。しかし、青年会議所の先輩諸兄姉は戦後の圧倒的な国難の中、「新日本の再建は我々青年の仕事である」と設立趣意書を掲げ活動を始めました。今こそ青年会議所の原点に立ち返り、コロナ禍で大変な状況だからこそ、積極的に社会的課題に取り組む必要があり、この有事にこそ行動しなければ青年会議所の存在意義はないと私は考えます。
地域の皆様の声を聞いて現状を把握し、何を求められているかを知り、今まで培ってきた多くの経験や知識、仲間達とのネットワークなど強みを活かして我々が先頭に立ち行動する。これこそが地域に求められ必要とされる青年会議所の在り方だと考えます。

 

2022年度スローガン 守破離~本質を忘れず、変化を受け入れ、新たなJCを創ろう~

本年度スローガンに掲げる守破離とは、華道や武道等に用いられる言葉でこの言葉は物事の成長段階を見事に表していて、青年会議所の活動・運動もこれに通じるものがあります。

「守」 師や流派の教えを忠実に守り基礎を身につける。

「破」 基礎の上に教えを破り、他の流派のより良いところを取り入れる。

「離」 自ら型を確立して師から離れる。

 

「守」 青年会議所の理念は社会貢献であり、社会貢献やまちづくりを行う中で自己成長する事が青年会議所の本質であり、時代がどんなに変化しても理念と本質は変わる事はありません。
「破」 昨今の目まぐるしい社会情勢の中、急激な速さで時代は変化しています。組織も時代にあった在り方に進化し変わらなければ、衰退、存続の危機を向かうと考えます。現在、青年会議所は会員減少や、質の低下が課題とされています。現在の常識や固定概念を今一度見直し、変化を恐れずに行動し挑戦しなければ進化はあり得ないのです。
「離」 明るい豊かな社会の実現を理想とし、持続可能な青年会議所を創っていく為には時代に合わせた活動・運動を行ない、組織を進化していかなければなりません。その為には、メンバー一人ひとりの成長が必要であり、メンバーの意識が変われば未来が変わり、持続可能で新たなJCを創ると考えます。
南さつま青年会議所は設立以来、青年会議所の設立・法人格の取得・名称変更・諸規定の見直し等を時代の変化に適応してこられました。そこには組織をより良くしようという情熱をもった先輩諸兄姉がいたからに違いないのです。本年度も定款や諸規定・運営に関しても、必要であれば見直し、時代にあった持続可能な組織運営を行って参ります。

 

青少年育成

子供は地域の宝であり、未来の地域を担う人財です。子供達が生きる未来を創るのは私たちの使命であります。近年新型コロナウイルス感染をはじめとする社会状況の変化により、学校行事の自粛や地域の行事に触れる機会も減少し、人と人との関わりが制限され地域と子供達の関わりが希薄化するとともに、様々な体験をする機会も少なくなりました。コロナ禍で先の見えない時代だからこそ自分の将来に夢や希望が見いだせる機会必要だと考えます。
私たちが住み暮らす、南さつま市には海山川に囲まれ豊かな自然が多くあり、この地域資源を取り入れた体験を行うことで、その経験が子供達にとってかけがえのない経験が心の財産となり、このまちの事を知ることで愛郷心が育まれ、このまちの将来に夢や希望を持つことができる運動に取り組んで参ります。
また、目まぐるしく変化する社会状況により、数年前の常識が今の常識ではなくなるという状況が更なる速さで進んでいくと思われます。この変化に対応できる能力を養い、自ら考え行動し、解決できる人財を育成して参ります。
SDGsに関しましても、本年度は認知や理解にとどまらず行動や習慣に繋げていかなければなりません。身近な問題から世界を繋ぎ、地方が世界を変えることでSDGsの存在を身近に感じてもらい、持続可能な社会の実現に繋げて参ります。

 

まちづくり

近年のコロナウイルスのまん延により、都市部の人口集中による問題点や課題が垣間見えています。感染対策に特化した働き方や、人と人との関わりが制限される事により、都市部に住む必要性が薄くなり、企業も都市部にオフィスを構える事の意味に疑問を持ち、地方への移転をする事例も増えています。コロナ禍で解決しなければならない課題や問題点も多くあると同時に、地方への関わり方が増え、働き方や生き方の多様性により都市部への一極集中の是正につながり地方創生へ関心が高まりつつあります。このような時代だからこそ、このまちの現状を知り、本質を見極め、時代の流れに対応し、新たな価値観を受け入れ挑戦し続ける必要があります。
また、近年では異常気象や自然災害などの様々な問題が存在します。昨年度は社会福祉協議会と災害時における協力体制を締結しました。地域とのチームワークをより強固なものとする事でとして、地域の防災力を向上させると確信しています。さらに本年度も、持続可能なまちづくりやSDGsを用いた地域活性化を進めることにより、地域課題解決の相乗効果が期待でき、SDGsを原動力とし地域課題解決に取り組み、持続可能なまちづくりを目指します。

 

会員拡大

青年会議所は20歳から40歳までと年齢制限があります。近年、南さつま青年会議所では経験豊富なメンバーが卒会し、減少しているのが現状です。人口減少やコロナ禍などで多くの問題を抱える情勢の中、人材を発掘し入会に繋げることは容易ではありません。しかし明るい豊かな社会を実現する為には同じ志をもった同志は必要不可欠です。
本年度は会員拡大の在り方を考え、経営者だけでなく出向の方、や会社員の方さらに市外の方も対象に会員拡大を行って参ります。この高い多様性こそが青年会議所であり、新しい視点が発想を生み無限の可能性に繋がります。

 

自己成長

青年会議所はまちの発展に寄与するだけでなく、個人の成長にも繋がる団体です。しかし必ずしも自己の成長は約束されていません。青年会議所の活動・運動を自ら行動し、取り組まなければ自己成長は得られません。いくら良い例会や事業を行っても、メンバーに参加していただかなければ明るい豊かな社会の実現には程遠いのです。メンバーに参加を促し、多くの意識改革の機会の場を与え、会員同士の啓発と交流をはかり、多種多様なメンバー同士だからこそ一人ひとりに本質を理解し成長していただくことが会員拡大につながると考えます。

 

結びに

私がこの青年会議所に入会したのは6年前になります。初めは自己成長や、人脈を広げ仕事に繋げる為に入会しました。しかし入会してみると、先輩方は地域の為や子どもの為、そしてこのまちの未来の事を真剣に考え活動をされていました。そして入会してから3年目、初めて青年会議所の役員を受けましたが議案も見たことも無い、ましてやパソコンも使えない中、この職務を務めるができるのか不安でした。しかし私の直属の上長は議案の書き方等を夜遅くまで、私の成長を願い付き合ってくださりました。その時に私は自分だけの事しか考えてなかったという事に気づかされました。青年会議所では、人に無条件で奉仕する事が前提になっていることを知り、この時から活動・運動に積極的に参加しようという気持ちに変化させていただきました。自分自身も活動・運動を通して地域や子ども達とのふれあう中で、今まで気づきさえしなかった地域の課題やまちに対する想いや価値観さえも変わりました。
青年会議所は社会奉仕だけで終わってはならないと考えています。自らの成長なくしてまちの成長はないのです。この気づきを与えられ価値観そのものが変化する団体は青年会議所だけではないでしょうか。
先輩諸兄姉が築き上げられてきた歴史のおかげで今が存在する事を理解し、我々の行動が未来を創ると信じ、メンバー一丸となり青年会議所の活動・運動を行って参ります。
またメンバーの協力を頂きながら共に全力を尽くす覚悟でございます。どうぞ1年間よろしくお願いいたします。